フッ素塗布

Treatment

薬品を直接塗布する方法

歯の表面に直接薬液を塗布します。塗布する薬液はフッ化ナトリウム、フッ化第二スズなどいろいろなものがあり、患者さまに応じて使い分けます。
保健所などで行われるフッ素塗布は、主にこの方法で行われています。
当院では、リコール登録されている方の定期検診の際に、希望される方には、歯をきれいに清掃した後、フッ素塗布を行っています。
また、幼若永久歯(生えてからあまり期間がたっていない永久歯)に選択的に行うフッ素塗布も行います。

フッ素塗布について

  • フッ素は、歯に塗布することで、歯質を強化し、虫歯になりにくくする薬です。
  • 虫歯予防のためのフッ素対応は、歯科医院で行うフッ素塗布の他、ご家庭で行うフッ素入り歯磨き材の使用やフッ素洗口があります。
    これらを併用することによって、フッ素による虫歯予防の相乗効果が期待できます。
  • フッ素を塗布したからといって完全に虫歯にならないわけではありません。
    日頃の歯ブラシをしっかり行うと共にデンタルフロスの使用をお勧めします。
  • フッ素は年に2~3回、定期的に塗布することによって最大限の効果を期待できます。
    特に萌出したばかりの歯や歯肉が下がって露出した歯根面に有効です。
    定期検診とあわせてご来院されることをお勧めします。

フッ素塗布でよくある質問

  • 費用はどのくらいかかりますか?

    当院では、フッ素塗布そのものには費用はかかりません。
    ただし初診料または再診料および口腔衛生指導料にプラス検査料がかかります。

    成人にも効果はありますか?

    子供ほどではありませんが有効です。特に唾液が少なくなる疾患(シェーグレン症候群等)の患者さんにはフッ素液で洗口することでかなりの効果が期待できます。
    歯科医師に詳しい説明を受けてください。

    フッ素は毒ではないのですか?

    安心してください。フッ素は体を構成する物質の一つですから、体にとっても必要なものです。
    また、フッ素は自然界にも存在し、魚やワカメ、野菜、お茶などの食品にも含まれています。
    ちなみに、フッ素によって中毒となる量は、NaF(フッ化ナトリウム)で体重1kgあたり11mg、致死量は体重1kgあたり71~143mgです。
    これは歯科医院で使用するフッ素量、また家庭で使用する歯磨剤に含まれるフッ素量とは比較にならないほど大きな数字です。

    どうしてフッ化物がむし歯予防に効果があるのですか?

    歯ブラシや一般の歯磨剤では、プラーク除去によるむし歯予防効果は期待できますが、100%プラークを取り除くことはできません。
    どうしても歯ブラシの届かない部分のプラークは取り残されてしまうのです。
    その点、フッ化物配合歯磨剤を使っていれば、取り残されたプラークの中にいるむし歯菌の働きを弱めて、酸が作られるのを抑えます。
    さらにフッ素が再石灰化を促進し、むし歯の発生を防ぐとともに、ごく初期のむし歯なら自然に再修復してくれるのです。

    なぜむし歯予防にフッ素が有効ということがわかったの?

    100年ほど前、アメリカのコロラド州のある地域で、住民の多くが褐色の歯をしていました。
    そこで、彼らの口の中を調べてみると、他の地域とは比較にならないほど、むし歯が少なかったのです。
    また、それと同時に飲料水に含まれるフッ化物の濃度も他の地域により格段に高いこともわかりました。
    その水を妊婦が飲むと、胎盤を通じて胎児にフッ化物が提供され、むし歯になりにくい子供が生まれていたのです。
    さらに、その水を日常的に使っている人たちの歯も、フッ化物によってむし歯予防の効果があらわれていたのです。
    そこで欧米では水道水(上水道)にフッ化物に入れて、子供のむし歯を予防している地域が多くあるのです。

    フッ化物を塗ると歯が黒くなると聞いたことがあるのですが・・・

    安心してください。
    黒くなるのは、フッ化ジアミン銀(サホライドR)を塗った場合のみです。
    予防に使うフッ化物はフッ化ナトリウム、フッ化スズですので、歯の変色はありません。

    フッ化物(配合歯磨剤)を使っていれば、ブラッシングは適当でいいの?

    いいえ。ブラッシングは次の2つの意味でとても重要です。

    1)むし歯予防
    むし歯はいろいろな原因が重なり合って発症する多因子性疾患です。
    糖分摂取のコントロールもプラークの生成や酸の産生を抑えますが、完全ではありません。
    また、フッ化物配合歯磨剤だけを使っていてもむし歯を完全に予防することはできないのです。
    ですから、それぞれの因子のリスクを下げることが重要です。
    食生活も正しいブラッシングも共に大切なむし歯予防なのです。

    2)歯周病予防
    歯科の2大疾患は、むし歯と歯周病です。この2つの疾患を毎日の歯磨きで予防することが、良好な口腔状態を維持して8020につながります。
    正しいブラッシングの習慣は、むし歯と歯周病の原因となるプラークの除去に大変有効です。
    特に歯周病では、予防だけでなく治療の意味からもブラッシングが重要なのです。

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